2017年10月17日火曜日

790回バンコクスリウォンロータリークラブ例会(20171010日)
@インターコンチネンタルホテル4


【メンバー出席者】
飯田光孝元会長、中島元会長、梅村様、鈴木会長、小田原元会長、
飯田直樹元会長、栗並様、藤江様

19時開会点鐘
国歌斉唱(タイ・日本)
ロータリー4つのテスト

VISITING RTN
西尾RC 手島様
加古川RC 保地様

GUEST
硯山 昌寛様
村田 知弘様
宮森 大輔様
高橋 花奈様
中川 紀子様
Sairang Raksachorb


《誕生日・記念日》
該当者なし

《鈴木会長より・会長報告》
皆様、こんばんは。現在、120万人以上、そして35,000RCがございますが、本日は、皆様の繋がりで、このように多くの方が当例会にいらしてくださったことをとても嬉しく思います。本日は、ゲストスピーカーの方からお話を頂けますので、私の話は短めにさせて頂きたく存じます。
今後のスケジュールの確認です。1024日は、例会はお休みです。31日の第5週はファミリーナイトの予定でありますが、こちらについては、来週の理事会で実施可否について話合えればと思います。選択肢としては、エンポリアムスイーツ、日本亭様、もしくは通常例会を開催するといった案がございます。

Hug & Shaking Hands

《飯田様、グローバルグラント報告》
プロジェクト報告となります。先週、チェンマイに伺ってまいりました。今年の2大プロジェクトに関して、1つ目は、飯田直樹さんが現在、実施してくださっております、徳山東RCとの7万ドルの浄水器支援プロジェクト。続いて、2月に予定しております同じく7万ドル、約230万バーツの浄水器支援プロジェクトを担当しています。チェンマイを中心に、二十数校に、お届けさせて頂く予定となっています。今、候補に挙がっている学校が、チェンマイが3校。メーホンソーンが4校。その他に、ターク県等を予定しております。まだまだ数が足りないので、チェンマイのランボリラック介護学校の青木様を通じて、お話を広げて頂いています。今後の予定としては、11月中旬までに、各学校と覚書を結び、我々が贈呈した浄水器を、学校・地域の人たちにご協力を頂き、5年間のレポートをご提出していただく予定となっています。また、1月末までに国際ロータリーの承認をもらい、2月に式典を行いたいと考えています。
今、タイの学校は休暇期間です。10月の初旬から約3週間休みに入っているようです。覚書の締結については、10月最後の週から各県をまわり、お話をし、今後のプロジェクトの推進に向かって行きたいと考えています。贈呈式に関しては、チェンマイのいずれかの学校にて実施予定となります。詳細決定次第、再度ご報告いたします。
予定につきましては、早期にご連絡いたしますので、3360地区メンバー1人でも多く、ご参加いただけますよう宜しくお願いします。


《ゲストスピーカー・硯山 昌寛様》
~ご紹介~飯田直樹SSAより
硯山昌寛住職様は、1951103日生まれ。大学卒業後は、日本大学、そして土浦高校、土浦日大高校にて教師として勤務されておられました。高校教師時代には、ハンドボール部の創設・立ち上げを実施。そして、チームを3年で関東大会へ、5年でIHへの出場を果たされました。その後、1977年に、比叡山延暦寺での修行を経られて、僧侶になられます。以来、40年間、千葉県いすみ市にある硯山長福寺にて、お寺を守っておられます。
本日の講演テーマとなっている「教育里親制度」に関しましては、これを実施しているドゥアン・プラティープ財団と深い関わりを持たれています。25年間の関わりを通して、同財団では相談役としてご活躍をされております。趣味はゴルフ。ホールインワンを2度ご経験されているということで、相当な腕前でいらっしゃるとのことです。私からの紹介は以上となります。それでは、拍手でお迎えください。

初めまして。本日は、貴重なお時間を賜り、誠にありがとうございます。
本日は、私以外にドゥアン・プラティープ財団にてボランティアとして活動されております、中川さん、教育里親部長のSairangさんの3人でお邪魔することとなりました。本当にありがとうございます。大変感謝いたしております。自己紹介をいただきまして、誠にありがとうございます。私はバンコクに住み、9年目となります。実際に、財団に定期的に参加させていただくようになりましたのは、直近23年となります。

本日は、「教育里親制度」に関してお話をさせて頂ければと思います。
我々の財団は、プラティープ・ウンソンタムさんが、お姉さまのミンポンさんと一緒に、彼女が16歳のときに始めた「11バーツ学校」というもが礎なっております。設立のきっかけは、「スラムの子供たちへの教育を」と実感したことであります。なぜ、「11バーツ学校」が出来たのか、と申し上げますと、クロントイスラム地域というものが何故出来たのか、というところまで話が遡ります。
1970年頃、バンコクの近代化・工業化が始まります。チャオプラヤ川のほとりへ荷下ろしの仕事が必要となり、国家としても人手が必要になりました。この仕事を求め、タイの東北地方・イサン地方の農業に従事されていた方々や、貧困状態にあった方が、都会に仕事を求め、出てくるようになりました。そして、荷下ろしの仕事等に従事するのですが、当時の給与形態は、日給制、つまり働いたら幾ら、といったものでありました。今は、最低日当賃金は300バーツとのことですが、そちらよりもかなり低い賃金で働かされていたと伺っております。残念ながら国の政策として、近隣に住める住宅がある訳でもなく、医療も整っていない。ただそこで、仕事だけをとにかく与えるといったものでありました。1970年頃から始まったと記憶しております。
そのような状況の中、地方から出てこられたたくさんの方々が仕事をする際に、クロントイといった地域に居住し始めます。普通の方々は、住まない地域、つまり、スラムとして、自らで杭を立て、板を並べ、生活を始められたと伺っております。それが今では、10万人以上の人口がいる地域となっています。バンコクの中ではたくさんのスラムがありますが、その中でも一番大きいスラムとのことです。人口は、10万人から15万人の間くらい。正確には、出入りが大変激しく、住民票なども持たれていない方々が多いので、正確な人数は把握できていないといった状況であります。プラティープさんも、そういった家庭の中で、生まれ育ちました。そのスラムの中には、学校へ行くことができない子供たちが多数いらっしゃいました。田舎や地方から出てきた方々の、70年代~90年代の農業従事者の年収は、約2万バーツ。年収2万バーツですので、それでも生活をし、生きていかなければならない。家族全員で働いて、なんとか食べていこうとされていたようです。最初は、電気も水道もなく、とても大変な思いをされたのだろうと思います。
そういった中で、プラティープさんが、このようなスラムから脱するには、一番に、教育を受けなければならないと考えました。当然、親たちは、貧しければ教育するよりも、子供たちと一緒に働いて少しでも収入を得ようとするのですが、それではスラムの、負のサイクル・貧困のサイクルからは抜けられないと考えます。そして、最初に、非合法な形ではありましたが、塾として、彼女自身が16歳のときに、11バーツ持ってきてくださいという、私的な塾を開きます。当初は、非合法とのことで、国からの妨害にも合われます。いろいろな問題がたくさんありました。さまざまな困難を乗り越えて、11バーツ学校といったものを始められました。そして、現在までの過程の中で、11バーツ学校は、今では、きちんと政府機関から認可を受けた、小中学校となっております。そして、プラティープさんが16歳から始められた運動を、50年以上もずっと続けておられます。そして、アジアのノーベル賞と呼ばれるラモン・マグサイサイ賞を受賞することになります。その受賞をきっかけとして、プラティープ財団の礎を築き、発展させたこととなります。そして、来年、プラティープ財団は40周年という記念を迎えさせて頂くこととなります。
スラムから脱出してもらいたいという思いから、スラムの子たちにも学校へ行ける仕組みを作りました。ただ、学校に行くには、制服を買ったり文房具を買ったり色々なお金がかかります。授業料は無料に近いものであったとしても、給食費や、諸経費を払っていくことができなくて、学校を辞めてしまうというケースも多々あったようです。ですから、そういうことも含めて、スラムの子供たちが、小学校・中学校、とそして、高校・大学まで出て、更には、きちんとした職業に就かない限りは、またこのスラムの中で同じような子供を作って、同じ連鎖が始まっていくと感じており、財団は40年間に、いろいろな活動を心掛けて参りました。その中の一つとして、「教育里親制度」というものを実施し続けています。それは、普通の里親といいますと、子供を預かって一緒に育てるものをご想像されるかと思いますが、「教育里親制度」に関しては、幼稚園・小学校・中学校の、先ほど申し上げました制服や給食費といったものを、支援するといった運動をしています。後ほど資料を配布いたしますので、ご確認いただければと思います。里親を募集し、スラムの子たちが学歴を積んで、良い職業に就いて、スラムから脱してもらうということを、一番の目的として、運動を実施しています。徐々に近年、里親になっていただく方の高齢化と、里親数の数が減ってきています。スポンサーになってくれる方は、日本の方、諸外国の方、たくさんいらっしゃいますが、1人でも多くの方に、スラムのことを知って頂き、また負の連鎖からなんとか脱する支援をしたいと考えています。スラムの子であったとしても、優秀な子はたくさんいます。教育の機会を与えられるように、私たちは運動をしております。私は、本活動に9年前から少しずつ参加させていただくようになりました。来年の40周年に向け、一人でも多くの日本の方にタイのスラムの現状、我々財団のことを知っていただきたいと考えています。
毎日、タイのスラムに補助金バスで通っていますと、色々と感じることがあります。僧侶をやっているときは、贅沢をすることが当たり前だったような気がするのです。ですが、今、スラムへと毎日通っていますと、インターコンチネンタルへ来たのは、もう10年以上前に、ランチビュッフェを食べたのが最後だと思い出しました。その時は、何も感じなかったのですが、今来ると、なんて高級なところなのだろう、と感じます。そう考え、私はスラムの一員になったのではないかと、実感をもって活動をさせて頂いている次第であります。

色々な質問があれば、よろしくお願いします。今日は、資料もお持ちしました。里親に関する資料となります。

《中川 紀子さん》
こんばんは。以前は、財団にて、日本から来られるお客様の通訳として活動していました。
今は、里親事業部といったところで、書類の確認作業や、一緒に地域をご案内したりさせていただいています。子供たちの実際の生活状況について、硯山先生からも時折ご説明があったかとは存じますが、皆様は、タイ・バンコク市内で、高速道路を利用されたことはありますでしょうか。そういった高速道路の下や、ホテルとホテルとの間の、何もないところに、ちょっとしたテントが張られているのを、ご存知でしょうか。そういったところにも、スラムはあるのです。バンコク内で1,800か所、タイ国内で5,500か所のスラムがございます。主にチェンマイ、そしてコーン県などです。スラムが広がってきている傾向もあります。それは、困窮されていた方が、いずれにも行く場所がなくなってしまい、選択された結果といえます。地方で住所登録はしていても、その住所に住んでいない方。名前はついていますが、戸籍のない方。そういったお子様もいらっしゃいます。どんなに優秀で、賢かったとしても、国からは人間として存在していないとみなされてしまうのです。彼らたちの人生はストップしてしまっています。タイ政府は、国の恥になるということで、大きく報道はされていません。そういった子供たちが、タイ国内、東南アジア、インド、バングラデッシュなどに大勢いるということをこのプラティープ財団の活動を通して、もっと皆様にご理解していただきたいと思っています。
高速道路の下の家屋に住んでいる子供たちは、一時的な雨などで、ゴミが排水溝の入り口につまり、下水道も上水道も全く一緒のようなひどい環境に居住しています。一般の集落は、そういった汚水にまみれています。皆、健康面をきたしているケースが多く、その環境で生まれたお子様も、薄暗く、日中でも電気をつけないと暗くて生活ができないような暗所に、1部屋6人~7人が生活しています。共同トイレ・共同シャワールーム。そういった生活から、どうしても抜けられない、住所登録をしていない方々が、タイには15万人ほどいるといわれていますが、そのうちの5万人以上が、そういった家庭の子供たちです。火災も発生します。電気代を払えないので、ろうそくでの生活をされている方のろうそくが真夜中に倒れ、火災が発生し、一瞬で20世帯以上が焼け出されたという状況もございます。彼らは、また別の高速道路の別の高架下へと移動し、生活をされています。電車が通る、すぐギリギリの線路のそばにまで家屋を建てている地域もございます。


≪質疑応答≫
~加古川RC保地様より~
小学校・中学校で、平均一人あたり、年間どれくらいの金額が必要なのか教えてください。

~中川紀子様・Sairang様より~
教育里親事業部でございますが、100%全て必要な支援が実施できている訳ではありません。子どもの数も多く、放任主義の家庭も多く見受けられます。支援金の使用用途は学校側に一任されているケースが多く、朝食事をビュッフェ形式にて提供しているような学校もあります。家庭では食事をとらず、学校で食べているケースが多いので、ちょうど今のような長期間の休みの期間などには、栄養失調になる子供も多く見受けられます。
回答としては、年間6,000バーツくらいだと思われます。1ターム3,000バーツ、年間約6,000バーツが、実際に子どもたちが必要な金額です。ただ、財団として全てカバーはしきれてはないので、家庭での補助をお願いしているという状況です。最低限必要な金額が支援の金額として設定されています。

~小田原元会長より~
スラムの人口や、環境は改善傾向にあるのでしょうか。

~中川紀子様・Sairang様より~
他のNGO団体と連携し、分担して支援をさせていただいているといった状況です。子どもの数は減っていますが、大人の数は増えている、といった状況です。
~硯山昌寛様より~
今日は教育里親についてお話していますが、その他にも色々な活動を財団は実施しています。麻薬撲滅・高齢者支援等です。我々は、教育里親、スラムに関しての活動を実施しています。直近は、政府からの立ち退き要請といった問題も起こっています。

~栗並様より~
使用用途の定まっていない金額を財団へ寄付をすることは可能でしょうか。また、どこに寄付すれば良いでしょうか。

~硯山昌寛様より~
→大いに歓迎でございます。地域の子供たちに、しっかりと生かせる活動を実施しています。高齢者の方々への食事の支援、サポートなども実施しています。

《バナー交換・加古川RC 保地様》
《ニコニコボックス》
《鈴木会長より閉会にあたり》
大変ご興味深いお話ありがとうございました。寄付に関しては詳細資料にも掲載されています。今後とも宜しくお願い申し上げます。

ドゥアン・プラティープ財団
ホームページ:http://jp.dpf.or.th



20時閉会点鐘


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