2018年2月2日金曜日

第803回バンコクスリウォンロータリークラブ例会(2018年1月30日) @インターコンチネンタルホテル4階

803回バンコクスリウォンロータリークラブ例会(2018130日)
@インターコンチネンタルホテル4

19時開会点鐘
国歌斉唱(タイ・日本)
ロータリー4つのテスト

VISITING RTN
東京北RC 和田前会長
横浜MM21RC 岩堀様

GUEST
豆田 様、伊狩 様、能勢 様、山下 様、山本 様、藤岡 様、村田 様

≪小田原会長代理より・会長報告≫
こんばんは。今後の予定についてお話させて頂きます。212日にクロントイ幼稚園に訪問します。21日にグローバルグラントにてチェンマイを訪問。また、26日に、ソンクラー県を訪問予定となります。また、本日より入江様がメンバーとなります。宜しくお願いします。

≪入江様・入会式≫
~バッジ・規約の贈呈~
株式会社ユウシステムの入江と申します。去年の10月よりタイに引っ越して参りました。これから色々とバンコクのことを教えていただき、活動に貢献していければと考えておりますので、何卒宜しくお願いします。

≪立川様より~部下に仕事をやりきらせる手法~≫
こんばんは。今回は私の仕事に関するお話をさせて頂きます。中には、聞いているうちに、違和感や不快な気分になられる方もいらっしゃるかもしれません。なぜなら、本音で全て話をしていくからです。私は、工場の生産性を上げるコンサルタントの仕事をしています。RCのメンバーの方々におかれましても、私が具体的にどういった仕事をしているのかご存知ない方もいらっしゃるのではないかと思いますので、まず、私がどういった仕事をしているかのお話をさせて頂きます。私の仕事は、工場における現地管理者・工場管理者を、プロフェッショナルの工場管理者に育成するといった仕事となっております。例えて申し上げますと、日本の高校野球において、連戦連敗の学校に、監督の立場として私が伺い、熱血指導をして甲子園にその学校の野球部を送り込むといったようなお仕事だと考えて下さい。もう少し詳細な説明となりますと、少し複雑に感じてしまう方もいらっしゃるのではないかと思います。タイにおいてはもちろんですが、アジア・日本を含めまして、私以外の方は誰もやっていない仕事となっています。私だけにしか出来ませんし、私だけしかやっておりません。
もう少し具体的なお話をさせて頂ければと思います。実際に、クライアント様の工場に赴き、幹部候補生を集め、そこで、実際に、今、工場で起きている問題を、全員の力を使って解決させていくといった仕事となっております。例えば、「納期が遅れた」、「品質が悪い」、といったことを、皆に考えさせて、改善する、といった仕事であります。但し、通常のコンサルタントの内容とは決定的に違う点がございます。通常のコンサルタントの方々は、先ほどの例にもございましたが、では「納期が遅れている」といった問題がありましたら、まず、「一体、何が悪かったのだろう」といって、「方法」を改善しようとします。実は、これは正しくないのです。私の場合でありましたら、まず最初にやることは、「誰が悪いのだろうか」、「誰の責任であろうか」、といったように、徹底的にミスを起こしてしまった「所在」、「個人名」を明らかにし、そして、やらざるを得ない状況を作り上げ、成果を出していく、という内容であります。

そういった他の一般のコンサルタントの方々とは異なった仕事を行っている訳でありますが、本日は、いかにして部下に仕事をやりきらせるか、というお話をしていきたいと思います。

私は、仕事柄、講演会の依頼を受けることもございますが、引き受けさせて頂く際には、1つだけ条件をお願いしています。それは、質問は一切受け付けません、といったものです。セミナー形式のものであれば、質疑応答を実施しても良いのですが、講演会に関しましては、色々な考えの方がいらっしゃいますので、様々な意見が出てしまうと収集がつかなくなってしまうのです。したがって、本日も同じく質問は受けません。もちろん、個人的には、どのような質問も受け付けておりますので、宜しくお願いします。

 それでは、本題に戻って参ります。日系企業や、タイ現地に進出している企業様におかれましても、問題やトラブルといったものは、毎日頻繁に起こっています。一体、どうして日々問題が起こるのでしょうか。はるか昔から延々と続いていますし、タイの工場だけではないのです。世界中の会社で、常に毎日問題が起き、会議を実施するなどして、対策を考えています。関係者の方と討論する際などに、よく出てくる共通の悩みがあります。それは、「部下の方が言ったことをやってくれない。」といったものです。言ったことをやってくれないので、問題が発生する、といったものです。では、何故このような自体になってしまうのでしょうか。我々が、管理者として部下の方に指示を出す際には、その方の能力を見て指示を出しているのではないかと思います。そのようにして指示を出しているはずなのに、現場に赴いてみると全く違う状況になっている、ということが頻繁に起きています。色々なケースが考えられるかとは思いますが、多くのケースは、やはり部下の怠慢なのではないかと思います。全力でやっていない。どこかに気の緩みがある。このように考えていくと、何故、指示を守ってくれていないのか、答えは簡単なのではないかと思います。指示を出した人が、部下に舐められているからなのです。だから守らないのです。この上司の言うことであったら、ここまで聞いておけば良いといったように考えているのです。この上司であれば、手を抜いてもバレないだろう、という気持ちが誰にでもあるのではないでしょうか。ですが、そこを許して放置しておいてしまうと、問題は再発するのです。それは何故でしょうか。同じ人がやっているからです。問題を、本当に、根本から解決しようとしたら。その人の考え方・やり方まで踏み込んで変えていかない限りは、問題は必ず再発するのです。皆様の会社で起こっている問題は、地震や台風とは違います。自然発生的に起こる問題というものはありえないのです。どんな問題でも、必ずその背景には人がいます。その点を、きっちりと分けて考えていかなければいけないのではないかと思います。

お話が前後いたしますが、私の仕事といったものは、ファクトリーイノベーションチーム、FITといったものを会社内に作って頂きます。そこに、将来の幹部候補生、約20人が集まり、問題を書き出し、誰が悪かったのかを追及し、そしてどうやって直していくのかを考え、対策を立案してもらうという内容です。そうすると、朝に書き出した問題というものが、その日の夕方には、「誰々の責任でこうなりました。」ですので、「このように対策します」、といったものが書き出されるのです。これが私の仕事となっています。ですので、方法を変えるのではなく、誰が悪かったのかを見つけ、その人を変えていく。もちろん、人を変えるのは大変です。一般的には、褒めることが人を変えるためには効果的であると言われています。ですが、やはり怠慢・気の緩み・やれたはずなのにやっていない、といった事例に関しては、褒めても直らないのです。大変ではありますが、不愉快な思いをして頂かないことには直らないのです。人間とはそういったものです。強制といったものは最も厳しい方法かと思いますが、怠慢な人たちに褒賞を与えても変わることはないのです。怠慢な人に、ボーナスを3倍出すから改善してほしいと依頼をして、一時的には改善したとしても、その後は、5倍のボーナスを要求してくるものなのです。
嫌な思いをしてでも、やっていただくことに関してとなります。ここでのポイントは、一度実行して頂ければ、やり方というものは分かってくるものなのです。体に浸み込んでいきます。そして、それを継続していくことによって、自発的に改善されていくようになるのです。簡単に言えば、子供の躾と似ているのではないかと思います。そのような仕事を、私はしているのです。

ここから徐々に、本題に入っていければと思います。
本日のテーマである、「部下に仕事をやり切らせる方法」。すなわち、仕事をやり切っていない、といったケースです。これは、全力を尽くしてやったけれどもダメだった、というケースではありません。今から説明するものは、ごく日常にありふれている、7割くらいの力で仕事をし、3割は出し切っていなかったので、蓋を開けてみたらとんでもないことになっていた、といったケースとなります。では、どのようにしたら、部下にきっちり仕事をやり切らせることが出来るのかといったことであります。

部下に仕事をやり切らせる、1つ目のポイントは、「怠慢を追及する」ということです。徹底的に追及をするのです。問題が発生した。どうしてだろう?といった考え方ではないのです。どうして?何故なんだろう?を繰り返してみても、問題は解決することはありません。
問題が発生した。その次にくる第一声は、「誰の責任なのか」と聞かなければいけません。問題が起こった際に、誰の責任であるのかを問うべきなのです。その次には、見破っていく作業が必要となります。つまり物証が必要なのです。

実際に現場に赴き、データを見て、その人がどのような怠慢でこの事象を起こしたのかということを徹底的に追及していくことが大切なのです。あまりやられている方はいないのではないかと思います。やらない理由は、やはり信頼関係が崩れてしまうことを恐れているからではないかと思います。不愉快な思いをさせたら、次から言うことを聞いてくれなくなるのではないかという思いがあるのではないでしょうか。ですが、個人を信頼することと、仕事を信頼することは違います。
個人はもちろん信頼していますが、仕事は信頼しないのです。矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、それをしたからといって、信頼関係が崩れることはありません。相手がどんなに怠慢だとしても、会社で仕事をしている以上、個人的には信頼しています。単純に、怠慢であったことに対してのみ、追及をしているといったことを伝えるのです。この考えをもって接していると、嫌われたりすることは少ないのではないかと思います。本来は、100出来ることを80で見逃している。100出来るのに、90で良く頑張ったといっている。これではやはり、本人の成長は見込みないのであります。管理者として伸びないのです。では、どうなるか?業績が悪くなり、赤字になり、皆アンハッピーな結果となるのです。真剣に追及をして、真剣に暴いていくということは、彼自身の為なのであります。その人が嫌いだからいじめようとしている訳ではありません。相手のためを思ってこそ、何故、報告が漏れていたのか、ということを明らかにしていかないと本人のためにはならないのであります。私の研修ではこのような取り組みをしています。お客様とのお付き合いも長い方が多くなり、最長で15年のお付き合いをしています。平均して10年以上続く関係を築けています。何故かというと、やはり、それなりの効果が出て、現地管理者として伸びて、問題が減ってきているからであります。
ただし、このようなやり方をとる以上、お客様にも覚悟を持っていただくのです。何人かの退職者が出る可能性があるということを必ずお伝えします。ファクトリーイノベーション、改革でありますので、皆で和気藹々として、コーヒーを飲みながらの研修とは違うのです。ただ、退職者が出るということは、周りの方々の能力が伸びていけばカバーできるのです。それらを、本当に覚悟の上で取り組んで頂かなければならないということです。皆がリスクを背負って、一生懸命取り組んでいくということが大切なのです。人材育成、つまり怠慢を追及していき改善していくということは、本人のためになるのです。現在、工場管理も厳しくなってきているのではないかと思います。クライアントからの要望も、品質、価格、スピードと多くを求められる時代になってきています。

そういった環境下で経営者は、限られた資源をどのように活用するかということを、常に悩んでいるのではないかと思います。この限られた資源で何をやるのか。ヒト・モノ・カネ、が基本であると思います。もちろん、モノ・カネに関しては限界がありますが、ヒトというものだけは、能力を増やすことが出来るのです。アウトプット一人当たりの能力を上げていけば、相対的に、資源が増えていくことになります。しっかりと育成をして指導して伸ばしていくことにより、企業の財産は増えていくのです。この点をしっかりと理解している会社は、やはり業績も良いのではないかと思います。人材の育成には、時間もお金もかかりますが、5年先、10年先を見て、業務にあたる必要があるのです。やはりそのためには、褒めているだけではいけないのです。真剣に向き合い、嫌われたりする覚悟も必要なのではないかと思います。そういった中で、相互理解が生まれてくるのです。

続いて、誰が悪いのか、といった点についてです。
問題が起き、機械が止まるといった問題が起こったことを例とします。
生産ができない、納期が間に合わないので、スペアパーツを発注し、到着するまでは、対策を考えて…と。このようなことをやっていたら、工場は良くなりません。
機械が止まったのは、誰の責任であるのか、と問うことです。皆はキョトンとするのではないかと思います。パーツが壊れたのであれば、このパーツが壊れないように保守点検・維持しないとダメだったのであります。保守点検は誰が責任をもって見ているのでしょうか?ここから始めていかないと、機械が停止してしまうという問題が改善されることはありません。機械は自然現象的には壊れないのです。人間が壊しているのです。それを壊させないような努力をする義務がある人が、会社の中に存在しているはずなのです。保守点検を実施しているのは誰なのかということです。
チェックシートに項目がありませんでした、と言う方がいるかもしれません。それであれば、日頃から注意して、チェックシートに項目を追加するような働きや、機械の稼働時間を計算し、劣化が想定される箇所を点検項目に盛り込むことも可能であったはずなのです。そのようなお話をすると、次は、そのような指示を受けたことが無かったと反論されるかもしれません。では、彼にそのように指示を出すべき人は誰だったのでしょうか。と、新たに追及する必要があるのです。

私が機械の保守点検の担当であり、チェックシートに基づいた管理だけを漠然と実施していたということが、いけないことだったのだということを気付かせる必要があるのです。

こういった具合に、常に、「誰が」、「誰が」と聞いていく必要があるのです。個人の責任を明確にしてあげないことには、問題は永遠に解決できません。今挙げた事例に関しましては、シンプルなものでありますが、複雑なケースもあるかと思います。
例えば、棚卸の際に数が合わないといったケースなどは、末端の作業者まで指示を出して行きわたらせることは難しいことだと思います。ただ、それを暴いていかずに、「来月こそはしっかりとやりましょう」では、来月以降も同じ問題の繰り返しとなってしまうのです。

ここで皆様に考えて頂きたいのは、皆、心のどこかに、ここが暴かれたらどうしよう、といった不安があるのだと思います。そこを1歩、さらに23歩踏み込まないと、いけないのです。踏み込まないから、舐められてしまうのです。踏み込まれなかった本人は、「良かった、踏み込まれなかった。暴かれなかった。来月頑張りましょう。」と感じているはずです。これでは改善されません。何の解決にもなりません。
もし、トラブルの報告を受けた際には、「分かりました。すぐに現場に行こう。そこで、今どのようなやり方で取り組んでいるのか、また、そのルールをすぐに出してください。そして担当者が立ち会い、私の目の前で、どのようにやっているのか見せてください。」というところまで実施しないといけないのです。
これは、面倒だと考えてしまうかもしれませんが、先程も申し上げましたように、彼に対する人材育成・投資なのであります。これをやっておけば、次の怠慢には繋がりません。彼自身も、踏み込まれた・手を抜けると思って考えていましたが、まずい、と考えるのです。現場に行ってあの帳簿を見られたら、オペレーターに聞かれたら、といったように考えるのであります。部下から舐められているということは、相手も距離を見て仕事をしているのです。この上司であれば100の内、30で手を抜いて仕事をすれば良いだろうと。今回は、80位でやっておこうと、距離を測りながら仕事をしているのであります。ですので、この距離を詰めないことには、何も変わらないのです。さらにもっと踏み込んで、帳簿等、白日の下に晒していかないことには、うまくいかないのであります。時間も労力も必要になります。但し、出来ていなかったということを、しっかり、誰の責任でそうなったのかということを、本人自身に認めさせないといけないのです。そこまで追い込んであげるべきなのです。

次に、追い込んで認めてもらった後に、反省してもらうということです。
日本語で反省とはどういったことなのでしょうか。まず1つ目は、自分の過ちを認めること。2つ目は、自分を改めるように考えて実行すること。これが反省です。自分の罪を認めた後は、自分自身に考えてもらわないといけないということです。このとき大事なことを説明していきます。
ポイントは、みんながいる前でやらなければいけないということです。皆がいる前で、怒る、注意する、暴いていくということを、フルオープンの場でやっていかないといけないのです。そういった作業を皆が見ている前でやらないといけないのであります。理由は2つあります。1つはプレッシャーがかかります。2つ目は、クローズドな場所で実施した際には、本人に言い訳の余地が残ってしまい、また責任の所在が不明確になってしまうのです。こういったプロセスはフルオープンの場で実施すべきなのです。

反省の次は、対策を考えてもらうということです。
ここで大切なことは、「自分自身で今日中にできる対策」を考えさせることです。あなたの立場で、1時間以内で出来ることがあるはずだと思います。本当にすぐに出来る対策というものは出てくるのです。反省させた後は、今日自分ができる対策を考えてもらい、自分が行動せざるを得ない状況を作ってもらいます。そして実行に移して、結果が出ることによって、ようやく気付き出すのです。泳げない方が、水泳の本を何冊読んでも泳げるようにはなりません。実際に水の中に入り、体感して覚えていくということです。それがないことには、身に付かず、本人のためにはなりません。行動し、次から出来ることを考えていくようになっていくのです。そこで初めて人材は伸びていくのです。

私が本日、お話していることは、世間一般の本屋さんに出回っている内容とは違うことであると思います。皆様も、半分は本当かと思いつつ、半分は共感する部分があったのではないかと思います。私の部下に仕事をやり切らせる方法・問題解決の手法は、
1つは、絶対に問題を解決するという社長以上の気持ちをもって真剣に取り組んでいます。2つ目は、必ず決めるといったことを実施しています。決めないということは、絶対にやってはいけないのです。決まった方向が間違っているということのほうが未だ良いのです。間違いにすぐ気が付けるのです。決めないということはズルズルと進み、保留にしてしまっている会社も多いのではないかと思います。常に問題に対して物事を11つ決めていく、ということを取り組んでいただければ部下からの信頼を得ることが出来ます。もちろん、教科書通りではありませんので異論もあるのではないかと思います。ただ、この方法で多くのクライアントからの評価を頂いている実績がございます。本日は、ご清聴ありがとうございました。

≪ニコニコボックス≫
岩堀様、ウイム様より頂いております

≪ラッキードロー≫

≪小田原会長代理より閉会にあたり≫
大変面白いお話をありがとうございました。改めて気が引き締まる思いでありました。来週は、飯田直樹さんの卓話となります。803回例会を閉会いたします。


20時閉会点鐘




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