2013年3月15日金曜日

第571回 バンコク・スリウォン ロータリークラブ例会





第571回 バンコク・スリウォン ロータリークラブ例会


2013年3月12日



■ゲスト

東京北RC 和田PP

ゲストスピーカー JAXA 長井様



■会長報告 塩谷会長

【3/1~3/3】ブリラム自転車贈呈式の感想。Xさんと二人での訪問。子供たちは3年越しの念願である自転車、360台を送っていただき心から感謝して頂いた。感動してRCをやっていて本当に良かったと思いました。また、訪問の際パノムロン遺跡の観光等、色々とお世話になった。夕食時にはプラーニンというかつて日本の天皇陛下が当地に送り養殖をして今も残るお魚料理を頂いた。



【鈴鹿RC】15周年の図書支援20万円の寄付を頂いた。日程の変更があったが、贈呈式は5月20日、アムナートジャラン県の2校に決定。5月21日スリウォンRCへMAKE UP。



【3/13】トンブリRC、ノンケーンRCと共に蚊帳をプラチンブリ県へ寄付。スリウォンRCは100個(30THB/個、計3,000THB)を支援。



【3/22~3/24】3350地区大会。ナコンナヨックにて。参加者は塩谷P、政岡様、飯田IP、梅村様、中島様、Mr.X



【3/28】バンコクRC チャリティーコンサート



■中島幹事報告

スリウォンRCメンバー推移表を作成中。2001年3月5日からの推移。12年で84名の出入りがあった。現在は19名。うち設立メンバー8名、現メンバー11名。

新しいメンバーリストを作成したいので生年月日、職業、出身地、座右の銘などを今後記入お願いいたします。



【今後のゲストスピーカーと予定】

3/19 オイスカ 春日様

3/26 在タイ日本大使館 青木参事官

4/2  WAFCA 熊澤友紀子様

4/8  3350地区M・G 贈呈式

4/9 (理事会&自転車委員会No. 94&95贈呈先決定)Make Up半田南RC4名、2700地区 2名

4/16 休会

4/23 国際交流基金 福田和弘様

4/30 ファミリーナイト

■ゲストスピーカー:JAXA 長井正彦様


(自己紹介)

東京大学大学院工学系研究科修了後、東京大学空間情報科学研究センターで、人工衛星による地球観測、無人航空機による観測システム開発、地球観測データの相互利用に関する研究に従事。

2010年より、宇宙航空研究開発機構(JAXA)主任研究員としてタイ国にあるアジア工科大学(AIT)に赴任し、地理情報センター副センター長、リモートセンシング・GIS学科客員教員を兼務。

Sentinel Asia Project(アジア防災・危機管理国際協力プロジェクト)のデータ解析コーディネーター、国際災害チャーター(宇宙機関を中心とする災害管理に係る国際協力枠組み)のアジア地区担当プロジェクトマネージャー、GEO(地球観測に関する政府間会合)のAIP(構造実施パイロット)セマンティックグループリーダー、東京大学空間情報科学研究センター客員研究員、バングラディッシュ情報理工大学客員教授。工学博士。

JAXAはアメリカでいうNASAに相当。JAXA本部は調布にあり、種子島など日本に17カ所、世界ではアメリカのワシントンD.C.、ヒューストン、フランス、そしてタイのバンコクに拠点あり。

(活動)

主な活動;

Space Transportation H2ロケットの研究、有人飛行の宇宙航空活動、人工衛星と航空機の研究、宇宙科学研究、基礎研究、航空技術研究。



(アジア工科大学)

1959年設立。アメリカ軍が設立した大学であり、47の国と地域から集まった2300名の学生が学習。日本人教授が3名で、その1名が長井様。



(Remote Sensing &Disaster Management in Asia)

Remote Sensingとは、宇宙から見た写真を見て地上の状況を把握すること。

地球を傍観、俯瞰図で見ることは重要であり、世界で何が起こっているかをON TIMEで確認できることにより多大なる貢献が可能となる。例えば俯瞰して地球を見ることにより黄砂とエルニーニョの関係がわかった、など、発見が多い。



(地球観測器)

ALOSという衛生を使って地球を観測する。人工衛星には3つのセンサーがあり、主に地表の調査を行うことで災害の規模や原因を分析できる。2010年のパキスタン洪水、2010年ハイチの地震も調査した。地表調査によりブラジルやボルネオ島などの、熱帯雨林地域での森林伐採状況も確認が可能。ALOS2という人工衛星が2013年、ALOS3が2015年に打ち上げ予定であり、ハイスペックになればなるほど観測の精度があがる。

以前の人工衛星は地球を周り、元の位置に戻る、すべての観測を終えるまでに45日間かかったが、今のものはわずか15日間で可能となった。

ALOSを使って世界の森林の状況を調査し、世界のCO2の吸収量の観測も可能。面白いもので4月と7月の世界のCO2量を調べると4月が7月よりCO2が多くなることがわかる。要因は夏に光合成が世界中で多く行われる、という当たり前のことも地表観測でわかる。その他、世界の降水量もすぐに確認が可能。



(準天頂衛星)

今までの人工衛星は地球の自転と同じ周り方をしていたが、新しい準天頂衛星は楕円軌道で地球を周ることが可能となり、より多くの地表を観測できるようになった。日本には3基、アメリカには24基ある。



(衛星を使ったGPS)

現在の日本ではほとんどの地域でGPSが機能する。昔はアメリカだけだった。現在、日本以外にもインド、ロシア、EU、中国など世界中でGPSが機能するようになり、それらを組み合わせることによって、2020年には以前は50 cm~1mほどの精度でしか見れなかった地表が5mm~1 cmの精度で見れるようになる。この進歩は例えば新幹線などのAuto Controlに役立つ。



(タイでの活動と3.11東日本大震災)

84の国と地域(中央アジア、パキスタン、東アジアまで)のSentipel Asiaメンバーで活動。

JAXAの解析の拠点がタイにあり、3.11東日本大震災の際、JAXAのタイ拠点を含む世界中の人工衛星からの解析情報を内閣などに提供した。

通常の災害時、20 Scenes(衛星からの映像量)程度の映像量だが、3.11の際は実に5,000 Scenesもの映像情報を提供した。震災の際、内閣府へ交通情報や原発の状況、被害状況などをデータで見て提供した。その時のプロジェクトマネージャーが長井様。

日本の機能が震災直後Downしていたので、タイのJAXAが内閣や宇宙開発機構からの要請を聞き、世界の人工衛星情報提供が出来る機関へ連絡する役割を果たす。その際、24時間対応で約1ヶ月の間、缶詰め状態で対応に追われた。日本の震災対応は実はタイで行われていた。

ちなみに1 Scenesの映像を調べるのに数時間を要し、5,000 Scenesの処理には多大なる時間を費やした。



(タイ大洪水)

一昨年のタイ洪水の際も長井様のプロジェクトチームがマネージメントを担当し、タイ政府へ人工衛星からのデータを提供。この時で1,600 Scenesだったので、3.11が如何に大規模のデータを収集、処理したかがわかる。



日本の災害対応をタイから調査、情報提供する、というように人工衛星を使った地表調査は世界中の災害時に世界中が協力して対処法を提供することもできます。

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