第878回 バンコクスリウォンロータリークラブ議事録
日時:2019年9月10日(火)19-20時
開催場所:INTERCONTINENTAL HOTEL 4階
出席者:《スリウォンRCメンバー》
飯田、伊原、スモン、鈴木、山田、飯田直樹、栗並、ティタパ
《来訪RTN》
鐘ヶ江様(佐世保北)、手島様(西尾)、森脇様(徳島プリンス)
《ゲスト》
宮原様、孫様(スカイプテレビ)、小宮様、岡様、飯島様、城様
(パーソネルコンサルタント社)植木、浦本、田中(記)
計18名
Q;Question A:Answer
《誕生日のご紹介》
エックス君11日誕生日
《本日の議題》
対話を通じて心の病いを改善
《会長報告:飯田より》
・立川より伝言:伊原テレビ出演。
・去年のグローバルブランドでスリウォンRC、国際Rが出資しコンケンの病院に吸入器を寄付するプロジェクトをやり残していた。総額53000ドルの予算で吸入器10台贈呈。持ち越していたため貯めていた資金を使える。インチョンRCとパトムワンRCの他、2つのRCと協力。贈呈先とものの調達のアレンジは済んでいる。持ち越していたが、引き続き参加する意思表示。
・自転車サコンナコン贈呈式:200台贈呈済み。残り200台の組み立てなどを盛岡西北RCに支援していただく。
《幹事報告:伊原より》
・Facebook live 配信を通して読み書きの勉強をしなくてはいけないと痛感した。Facebook live 配信はFacebookもしくはYouTubeで見れる。
・20日に立川、伊原、エックスでチャラブリーのトイレプロジェクト視察予定。
・21日に佐賀南RCから6名と食事予定。スリウォンメンバーに参加してほしい。
《ご挨拶:宮原様より》
・タイの伝統医学を専門にワットポー寺院で講師。現在タイマッサージの効果効能をチュラロンコン大学で研究。東京大学でタイ医学ゼミナールを開催。
・マッサージは心と身体を整える。さらにコミュニケーションツールとして有効。
・タイ医学のキーワードに「対話」がある。
《ゲストスピーチ:孫様より》
・大学で医学を教えている。
・家庭医として地域で子供から高齢者のかかりつけ医をしている。
・市民と医療従事者の対話の会を開く。
・対話の場拡張のため映画や落語など娯楽を対話として活動している。
1.哲学者:M・ブーバー
・人と人との関係(我ー汝の関係):発展性がある。対話が生まれる。
・対象との関係(我ーそれの関係):発展性がない。
・対話的関係は、互いに包括的な存在として出会2人の人間を必要とする。
2.哲学者:M・バフチン
・「dialogism(対話主義)」において、応答性を重視。
・「ポリフォニー」=多くの声の融合することのない共存状態。
3.医療福祉分野での対話の例 全国各地に存在
・哲学対話 おんころカフェ
・みんくるカフェ:ワールドカフェ形式
・認知症カフェ/ケアラーズカフェ
・デスカフェ:死について気軽に語る場
4.オープンダイアローグ
・精神患者者と家族に対して「対話」をすることで癒す。
・すべての参加者は平等であり、あらゆる発言が許容され、傾聴され、応答される。
・患者本人がいないところでは何も決定しない。
・30年続けて薬の使用量減少。高い社会復帰率。
・7つの原則
①即時援助
②社交ネットワークという視点:患者にとって重要他者を招く。
③柔軟性と機動性:必要に応じてやり方を変える。
④責任
⑤心理的継続性:できるだけ同じメンバーが関わる。
⑥不確実性への耐性:患者を病名で見ない姿勢。
⑦対話主義:対話の目的は対話。応答すること。
5.ポリフォニー(多声性)
・オープンダイアローグの空間では複数の主体の複数の声がポリフォニーを形成しており、それが治療の資源となる。
・ただ1つの真実よりも、多様な表現を生産することを重視し、安全な雰囲気の中で、すべての参加者の声が発話され、応答され、響きあうことを目指す。
6.未来語りのダイアローグ
・「予防的な」介入としての、心配事を未来志向にするためのダイアローグ。
・長期的な援助が必要であるのに行き詰ってしまっている状況などに活用。
・ある心配事に対してファシリテーターが対話を進め3つの質問を聞きながら、希望ある未来を想像させる。
7.「オープンダイアローグ/未来語りのダイアローグ」の日本における展望
・オープンダイアローグは精神科領域で始まったものだが、プライマリケアにおける複雑で不確実なケースを多職種で連携して「対話」的アプローチを行うときに有効な可能性。
・未来語りのダイアローグは子供の問題、就労支援や高齢者の支援など、教育・福祉など幅広い分野で取り入れられる可能性。
8.医療・福祉におけるさまざまな「対話」的活動の意義
・合意形成:熟議アプローチ
・視点の交換:対話カフェ、みんくるカフェ
・心配の緩和とケア:オープンダイアローグ、認知症カフェ
・地域住民のエンパワメント:地域づくりにおける対話活動
9.街中での「対話」
・モバイル屋台での健康生成的ダイアローグ。
・そもそも対話の場に来ない人のために2016年より開始。
・コーヒーを配る。
・人との出会いから「対話」が生まれる。
10.モバイル屋台活動の地域における機能
・健康無関心層へのアプローチ。
・地域における「モバイル」なソーシャルキャピタルの醸成。
・越境的な専門職連携。
11.演劇と「対話」
・平田オリザ氏の「対話」の定義。
・「会話」は価値観や生活習慣なども近い親しい者同士のおしゃべり。
・「対話」はあまり親しくない人同士の価値観や情報の交換。あるいは親しい人同士でも価値観が異なるときに起こるその摺り合わせなど。
12.映画と「対話」
・「下街ろまん」まちが人を健康にする映画を、まちの人たちとつくる
監督:孫大輔
・映画が面白くて内容について話したくなる。
13.まとめ
・「対話」は、専門家と非専門家を対等な関係性に近づける活動であり、今後、医療福祉介護分野において不可欠な活動となるだろう。
・「対話」にはさまざまな類型や意義があり、その可能性は十分に探求されておらず、あらゆる分野で研究と実践を進めていくことが重要である。
《質問:飯田より》
Q:フランス発祥の認知症ケア「ヒューマニチュード」はオープンダイアログと同じく方法のひとつか?
A:そうだ。この2つの共通点は患者が人として大事に尊厳されるところにある。
《質問:城より》
Q:普段の生活で悩んだときに相談できたらいいと思うが、他に活動している人や団体はあるのか?
A:家族との対話が大切であり、みんくるカフェのような対話の場が広がると多くの悩みを持った人が利用できる。
《飯田より孫様へ感謝状》
《飯田より宮原様へ感謝状》
《ラッキードロー》
《バナー交換》
《立川より》
タイに限らず海外の人とスカイプで卓話ができるのは良い。
20時00分閉会点鐘 より
日時:2019年9月10日(火)19-20時
開催場所:INTERCONTINENTAL HOTEL 4階
出席者:《スリウォンRCメンバー》
飯田、伊原、スモン、鈴木、山田、飯田直樹、栗並、ティタパ
《来訪RTN》
鐘ヶ江様(佐世保北)、手島様(西尾)、森脇様(徳島プリンス)
《ゲスト》
宮原様、孫様(スカイプテレビ)、小宮様、岡様、飯島様、城様
(パーソネルコンサルタント社)植木、浦本、田中(記)
計18名
Q;Question A:Answer
《誕生日のご紹介》
エックス君11日誕生日
《本日の議題》
対話を通じて心の病いを改善
《会長報告:飯田より》
・立川より伝言:伊原テレビ出演。
・去年のグローバルブランドでスリウォンRC、国際Rが出資しコンケンの病院に吸入器を寄付するプロジェクトをやり残していた。総額53000ドルの予算で吸入器10台贈呈。持ち越していたため貯めていた資金を使える。インチョンRCとパトムワンRCの他、2つのRCと協力。贈呈先とものの調達のアレンジは済んでいる。持ち越していたが、引き続き参加する意思表示。
・自転車サコンナコン贈呈式:200台贈呈済み。残り200台の組み立てなどを盛岡西北RCに支援していただく。
《幹事報告:伊原より》
・Facebook live 配信を通して読み書きの勉強をしなくてはいけないと痛感した。Facebook live 配信はFacebookもしくはYouTubeで見れる。
・20日に立川、伊原、エックスでチャラブリーのトイレプロジェクト視察予定。
・21日に佐賀南RCから6名と食事予定。スリウォンメンバーに参加してほしい。
《ご挨拶:宮原様より》
・タイの伝統医学を専門にワットポー寺院で講師。現在タイマッサージの効果効能をチュラロンコン大学で研究。東京大学でタイ医学ゼミナールを開催。
・マッサージは心と身体を整える。さらにコミュニケーションツールとして有効。
・タイ医学のキーワードに「対話」がある。
《ゲストスピーチ:孫様より》
・大学で医学を教えている。
・家庭医として地域で子供から高齢者のかかりつけ医をしている。
・市民と医療従事者の対話の会を開く。
・対話の場拡張のため映画や落語など娯楽を対話として活動している。
1.哲学者:M・ブーバー
・人と人との関係(我ー汝の関係):発展性がある。対話が生まれる。
・対象との関係(我ーそれの関係):発展性がない。
・対話的関係は、互いに包括的な存在として出会2人の人間を必要とする。
2.哲学者:M・バフチン
・「dialogism(対話主義)」において、応答性を重視。
・「ポリフォニー」=多くの声の融合することのない共存状態。
3.医療福祉分野での対話の例 全国各地に存在
・哲学対話 おんころカフェ
・みんくるカフェ:ワールドカフェ形式
・認知症カフェ/ケアラーズカフェ
・デスカフェ:死について気軽に語る場
4.オープンダイアローグ
・精神患者者と家族に対して「対話」をすることで癒す。
・すべての参加者は平等であり、あらゆる発言が許容され、傾聴され、応答される。
・患者本人がいないところでは何も決定しない。
・30年続けて薬の使用量減少。高い社会復帰率。
・7つの原則
①即時援助
②社交ネットワークという視点:患者にとって重要他者を招く。
③柔軟性と機動性:必要に応じてやり方を変える。
④責任
⑤心理的継続性:できるだけ同じメンバーが関わる。
⑥不確実性への耐性:患者を病名で見ない姿勢。
⑦対話主義:対話の目的は対話。応答すること。
5.ポリフォニー(多声性)
・オープンダイアローグの空間では複数の主体の複数の声がポリフォニーを形成しており、それが治療の資源となる。
・ただ1つの真実よりも、多様な表現を生産することを重視し、安全な雰囲気の中で、すべての参加者の声が発話され、応答され、響きあうことを目指す。
6.未来語りのダイアローグ
・「予防的な」介入としての、心配事を未来志向にするためのダイアローグ。
・長期的な援助が必要であるのに行き詰ってしまっている状況などに活用。
・ある心配事に対してファシリテーターが対話を進め3つの質問を聞きながら、希望ある未来を想像させる。
7.「オープンダイアローグ/未来語りのダイアローグ」の日本における展望
・オープンダイアローグは精神科領域で始まったものだが、プライマリケアにおける複雑で不確実なケースを多職種で連携して「対話」的アプローチを行うときに有効な可能性。
・未来語りのダイアローグは子供の問題、就労支援や高齢者の支援など、教育・福祉など幅広い分野で取り入れられる可能性。
8.医療・福祉におけるさまざまな「対話」的活動の意義
・合意形成:熟議アプローチ
・視点の交換:対話カフェ、みんくるカフェ
・心配の緩和とケア:オープンダイアローグ、認知症カフェ
・地域住民のエンパワメント:地域づくりにおける対話活動
9.街中での「対話」
・モバイル屋台での健康生成的ダイアローグ。
・そもそも対話の場に来ない人のために2016年より開始。
・コーヒーを配る。
・人との出会いから「対話」が生まれる。
10.モバイル屋台活動の地域における機能
・健康無関心層へのアプローチ。
・地域における「モバイル」なソーシャルキャピタルの醸成。
・越境的な専門職連携。
11.演劇と「対話」
・平田オリザ氏の「対話」の定義。
・「会話」は価値観や生活習慣なども近い親しい者同士のおしゃべり。
・「対話」はあまり親しくない人同士の価値観や情報の交換。あるいは親しい人同士でも価値観が異なるときに起こるその摺り合わせなど。
12.映画と「対話」
・「下街ろまん」まちが人を健康にする映画を、まちの人たちとつくる
監督:孫大輔
・映画が面白くて内容について話したくなる。
13.まとめ
・「対話」は、専門家と非専門家を対等な関係性に近づける活動であり、今後、医療福祉介護分野において不可欠な活動となるだろう。
・「対話」にはさまざまな類型や意義があり、その可能性は十分に探求されておらず、あらゆる分野で研究と実践を進めていくことが重要である。
《質問:飯田より》
Q:フランス発祥の認知症ケア「ヒューマニチュード」はオープンダイアログと同じく方法のひとつか?
A:そうだ。この2つの共通点は患者が人として大事に尊厳されるところにある。
《質問:城より》
Q:普段の生活で悩んだときに相談できたらいいと思うが、他に活動している人や団体はあるのか?
A:家族との対話が大切であり、みんくるカフェのような対話の場が広がると多くの悩みを持った人が利用できる。
《飯田より孫様へ感謝状》
《飯田より宮原様へ感謝状》
《ラッキードロー》
《バナー交換》
《立川より》
タイに限らず海外の人とスカイプで卓話ができるのは良い。
20時00分閉会点鐘 より